費用対効果のあるサーバーアップグレードとは?

サーバー投資は企業と組織にとって大きな決断です。サーバーには、Exchangeメールボックスのホスティングからファイル格納まで、さまざまな機能があります。大企業ならこれらのタスクをクラウドへ移行しつつ、ハードウェアの買替に踏み切るでしょう。でも、多くの中小企業にはむしろサーバーの寿命を延ばす方が合うようです。今回は、サーバーアップグレードについて記述します。

まず、サーバーアップグレードが適しているのは、

•あと2〜3年間は使いたい

•アップグレードに必要な容量がある

•メモリまたはGPU集約タスクを実行している

•使用開始から5年以上経過していない

などが当てはまる場合です。

アップグレードでパフォーマンス向上するとは限りません。でも、手軽にサーバー稼動期間を延長できるというメリットがあります。


OS

もし過去にアップグレードに失敗した経験があれば、サーバー購入時は新しいOSに切り替えようと思うでしょう。あるいは、ハードが使えるうちにOSをアップグレードしていく方がよいと思うかもしれません。

マイクロソフトの多くのライセンスプランには、最新のMicrosoft製品へのアップグレードがついてくるようです。マイクロソフトは、Windows Server 2016へのアップグレードを検討するときに参考になるマトリックスを公開しています。

本当に最新のサーバーOSを使う必要があるか、考えてみてください。マイクロソフトは、新しいバージョンのほうが以前のバージョンより速くて安全であると主張しています。確かにそうかもしれません。でも、アップグレードしたら不要なサービスは無効化し、メモリスペースを確保するべきです。OSアップグレードで必ずしもパフォーマンスアップになるわけではありませんが、検討する価値はあるでしょう。


メモリー/ RAM

メモリー/ RAMは、最も簡単に、また大抵の場合は最も効果的に、サーバー上でできるアップグレードです。 SQLデータベースのホスティングや数値処理や仮想マシンのホスティングなど、メモリ集約型のタスクを実行しているなら、おそらくアップグレードでパフォーマンス向上が期待できるでしょう。

RAMのアップグレードを検討する際は、サーバーに負荷がかかっているときのタスクマネージャーのRAM使用率を確認してください。実行中のサービスのメモリ不足に気づいたら、アップグレードが効果的なサインです。

メモリスロットがフル稼働している場合、より大きなモジュールに切り換える必要があります。そのときは、RAMとマザーボードは同じブランドのモデルを使用してください。そして、新しいRAMがインストールされたら、MemTestを使ってメモリが破損していないか確認してください。


プライマリドライブ

ストレージドライブを追加して使用可能なストレージが増えても、パフォーマンスは向上しないでしょう。でも、プライマリドライブをSSDに置き換えれば、間違いなくWindowsとLinuxのいずれにおいても、パフォーマンスが向上します。サーバーの起動時間が短縮されるだけでなく、アプリケーション実行も5倍以上高速化します。

このアップグレードの欠点は、OS再インストールの必要性です。でも、プライマリドライブでOSを実行し、セカンダリドライブにデータを格納するなら、最適です。また、SSDが値下げされるようになって、1TBのプライマリドライブにもアップグレードしやすくなりました。ただし、SSDはIntelやSamsungなど、信頼できる会社から購入してください。両社ともエンタープライズクラスのドライブをさまざまな容量で提供しています。


GPU

GPUのアップグレードはあまり注目されませんが、検討する価値があります。ほとんどのサーバータスクはGPUよりも、メモリとCPUに依存してきたからです。しかし、今日のサーバーは、NVIDIA Quadroなどの高速GPUや、グラフィックカードのAMD FireProラインを利用して、機械学習、科学モデリングなどの作業を実行します。

ほとんど進化しないCPUとは異なり、GPUは世代毎に飛躍的にパフォーマンスを向上させています。だから、GPUを利用して機械学習を行っているなら、NVIDIAまたはAMDの最新バージョンにアップグレードする意味があります。交換が簡単なのもメリットです。唯一の欠点は、P100のような最新のGPUは人気なので入手しにくいところでしょう。


サーバーアップグレードするべきでない場合

それでは、アップグレードしない方がよいのはどんなときでしょうか。

1.  マザーボードがCPUをサポートしているかわからなければ、アップグレードは控えましょう。ほとんどのサーバータスクはCPUによって制約されないため、アップグレード費用に見合った効果が得られない可能性があります。

2.  RAIDコントローラとネットワークカードはおすすめしません。故障時の交換ならよいものの、アップグレードで性能が向上することはめったにありません。


あなたが高品質なサーバーに投資していれば、アップグレードを検討するべきです。 Dell、IBM、HPなどの企業は、部品やアップグレードのアドバイスを提供してくれます。でも、彼らは新しいサーバーの購入をすすめても、止めてはくれません。

サーバ―アップグレードしたものの、やらなければよかった、と後悔した経験はありませんか?

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